一度つまずいても看護師はやり直せる。第二新卒で宇治病院へ、家族も仕事も大切にする男性看護師の働き方

3西病棟(障害者一般病棟) 看護師 Kさん
新卒で大学病院の小児科病棟に勤務したのち、2022年4月に社会福祉法人あじろぎ会・宇治病院へ入職。3西病棟(障害者一般病棟)に所属し、チームリーダーや感染委員も務める。家庭では2人の息子の父。
▼キーワード
・第二新卒でも新卒と同じスタートライン
・認知症ケアの外部研修で学んだこと
・有給の連休で守る家族との時間
・子育て経験者が多い職場の理解
・一度つまずいた看護師へのメッセージ
看護師1年目の挫折。大学病院の小児科病棟で立ち止まった半年間
新卒で就職したのは、出身大学の附属病院でした。学生時代に大学や病院にお世話になったこともあり、まずはそこで恩返しがしたいという気持ちで入職を決めました。
配属先は小児科病棟です。実習で一番手応えを感じられたのが小児科だったので希望したのですが、現実は想像以上に厳しいものでした。学ばなければならないことがあまりにも多く、勉強がまったく追いつかない。大学病院という高度急性期の小児科ということで、現場には常に張り詰めた緊張感がありました。周囲からのプレッシャーにも、うまく向き合うことができませんでした。
自分にできる仕事を一生懸命やろうと、外回りなどの業務に取り組んでいましたが、次第に気持ちがついていかなくなりました。1年間在籍はしていたものの、実際に働けたのは半年ほどです。
「看護師はそれだけじゃない」1年目に突きつけられた課題
私が看護師を目指した原点は、人とのコミュニケーションにあります。もともと人の良いところを見つけるのが得意な性格で、学生時代からコミュニケーションの方法について自分なりに学んできました。その力を生かせる仕事として選んだのが、看護師でした。
きっかけになったのは、高校を卒業して親元を離れるときに、父が買ってくれたデール・カーネギーの『人を動かす』という本です。浪人時代には、ことあるごとに読み返していました。相手の考えを決して否定しないこと。そうしたコミュニケーションの基本を、この本から学びました。看護学生時代にもいろいろな専門書を勧められましたが、私にとってはこの1冊が一番の学びになり、今も心に残っています。
実際、1年目の職場でも、患者さんと良い関係をつくることはできていたと思います。ただ、プリセプターからは「看護師ってそれだけじゃないよ」と何度も言われました。良好な関係づくりも、コミュニケーションももちろん大切です。けれども、看護師には医療の知識や看護技術が欠かせません。当時の私は知識が乏しいのに、患者さんとの仲だけはいい。そのバランスが取れていなかったのだと、今は思います。
それでも、看護師を辞めたいとは思いませんでした。いずれは結婚して家庭を持ちたいとも考えていたので、長く働ける場所でもう一度挑戦したい。そう思って転職活動をしていたところ、「経験が浅くても、ゆっくりと看護技術を身につけられる場所」と紹介されたのが宇治病院でした。急性期の治療を終えた高齢の患者さんを多く受け入れる病院だと知り、「ここで、もう一度一からやり直すんだ」という気持ちで入職を希望しました。

第二新卒でも新卒と同じスタートライン。段階を踏んで学び直せる教育体制
宇治病院には、完全に新卒と同じ扱いで入職させていただきました。私自身も、そうしてほしいとお願いしていました。
入職した4月は、患者さんを受け持つことはほとんどありませんでした。先輩について回りながら技術を学び、まずは病院に慣れること、仕事に慣れることから始まります。5月頃から患者さん1〜2人の受け持ちがスタートし、できるようになったら4人、次は6人、8人と、少しずつ人数を増やしていきました。
1対1で指導してくださるプリセプターもついていたので、困ったときはすぐに相談できました。プリセプターに限らず、ほかの先輩方からも看護技術を教えていただきました。時間はかかりましたが、順調に技術を身につけられたと思います。
前の職場との違いを感じたのは、学ぶペースです。急性期では患者さんの病状が日々刻々と変わり、常に次を予測して動かなければなりません。一つ勉強が足りないだけで、すぐに状況についていけなくなる。勉強会自体は充実していましたが、受けた内容を完全に理解したうえで現場に臨む必要があり、一度つまずくと、どんどん取り残されていく感覚がありました。そこにいるだけで申し訳ない。そんな気持ちを抱えていました。
宇治病院では、病状の変化が比較的ゆるやかです。先を予測しやすく、患者さんの状態を見ながら先輩に説明していただく時間もあります。だからこそ、勉強がなんとか追いつき、一つひとつを自分のものにしていくことができました。

認知症ケアの外部研修で変わった、患者さんの行動の見方と声かけ
宇治病院に来てから大きく学んだのが、認知症ケアです。
以前いた2東病棟(障害者一般病棟)で、当時の師長から「認知症の外部研修を受けてきたらいいよ」と声をかけていただき、丸2日間の研修に参加しました。この研修で、認知症への理解が大きく広がりました。
研修を受ける前は、患者さんの行動に対して「なんでこんなことをするんだろう」という思いが強く、理解できない部分がありました。研修を通して気付いたのは、患者さんは自分の基本的な欲求に従って行動しているということです。なんとなくお腹が空いた。なんとなくトイレに行きたい。でも、それをうまく言葉にできない。だからムズムズして立ち上がったり、うろうろ歩いたりする。
今では、そうした行動を見たときに「トイレに行きたいのかな」「お腹が空いているのかな」と考えられるようになりました。以前は強い口調になってしまうこともありましたが、理由を探し、ニーズに素早く対応できるようになったことで、声かけも大きく変わりました。その結果、転倒や転落といった事故も減ってきています。
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「あんたやったらお願いしたい」。入れ歯を一緒に洗って築いた信頼関係
心に残っているのは、最近、介護施設へと退院された患者さんとの関わりです。
入院された当初は要求が多く、処置にも拒否的で、本来必要なケアをなかなか受け入れていただけない方でした。言葉づかいも厳しく、正直、関わり方に悩んでいました。
それでも、「どうしてこういう言い方をされるんだろう」「何に困っているんだろう」と考えながら接していたところ、入れ歯の汚れをとても気にされていることに気づきました。看護師が洗いますよとお伝えしても、「いらん。これはずっとつけてなあかんのや」とおっしゃり、なかなか任せていただけませんでした。そこで、「一緒にやりましょうか」と声をかけ、汚れの原因を二人で確かめながら洗いました。
入れ歯がきれいになり、使いやすくなったところで、「これからはこうして一緒に洗いましょう」とお伝えしました。それをきっかけに私のことを信頼していただけるようになり、これまで断られていたケアでも、「あんたやったらお願いしたい」と言ってくださるようになりました。
退院の日には、「会えないと寂しくなるわ」という言葉もいただきました。患者さんと一緒に困り事を見つけられたこと、良い関わりができたことを実感し、この仕事をしていて良かったと心から思えた瞬間です。こちらが関わり方を変えれば、相手も変わる。学生時代から大切にしてきたコミュニケーションが、ようやく看護として形になったように感じています。

夜勤と育児の両立。有給の連休で守る家族との時間
宇治病院に入職してから結婚し、今は妻と3歳、1歳の息子の4人で暮らしています。自宅は滋賀県大津市の石山で、JRの琵琶湖線と奈良線を乗り継ぎ、家を出てから1時間ほどで病院に着きます。
現在は妻が育休を取っているので、子どもと過ごす時間は多いほうだと思います。そのなかでも、食事の準備や子どものお風呂は、できるだけ私が担当しています。
夜勤が多く、家族と一緒に過ごす時間が足りないと感じることもあります。そこで、師長と相談しながら、数カ月に一度は有給休暇を使って連休を取らせてもらっています。師長からも「有給、これくらい残っているけど使う?」と声をかけていただけるので、とてもありがたく思っています。
この夏は、お盆の連休に家族4人と妻の母の5人で、琵琶湖のクルーズ船「ミシガン」に乗りに行きました。家族と過ごす時間は、私にとって大切なエネルギー源です。将来的には妻も仕事に復帰する予定なので、そのときにはまた二人で役割分担を考えていきたいと思っています。
看護師になってから、看護観も変わりました。以前は、看護師としてとにかく頑張ろうという気持ちが強かったのですが、今は私生活も充実させてこそ、良い看護、良い仕事ができると考えています。その意味で、今の働き方は私が思い描いていた看護師像にかなり近いと感じています。

子どもの急な発熱も「あるあるだよね」。子育て経験者が多い職場の理解
私は職場で、家族のことをオープンに話しています。夜勤が続いていると、師長から「この日程で夜勤に入っているけど、奥さんや子どもさんは大丈夫?」と何度も気にかけていただきました。
子どもが熱を出したときや、妻の体調が悪くて子どもを見られる人がいないときなど、急に休まなければならないこともあります。そんなときも「そういうことはあるあるだよね」「仕方ないよね」と言っていただける。それが本当にありがたいです。子育てを経験してきたスタッフが多いので、「こういうときは旦那さんにいてほしいよね」と、状況を理解していただけるのだと思います。
入職したときに、ナースステーション直通の電話番号を共有していただけたことも助かりました。職場によっては病院の代表番号にかけてから病棟につないでもらう必要があり、連絡がややこしくなることもあります。宇治病院では、師長も自分の連絡先をすぐに教えてくださったので、休みの連絡もしやすく、密にやり取りができています。
また、ほかのスタッフと話していて気付いたのは、私と同じように、新卒で入った病院で一度つまずいた経験を持つ人が少なくないということです。だからでしょうか、気持ちのしんどさに寄り添ってくれる、優しい方が多いと感じます。それが宇治病院で働くスタッフの特徴だと思います。

目標は感染管理認定看護師。一度つまずいた看護師へのメッセージ
今の目標は、感染管理の認定看護師になることです。現在、感染委員を務めていることもあり、この分野の知識を深めたいと考えています。感染症の知識があれば、どんな現場でも力を発揮できるはずです。
そう思うようになった背景には、コロナ禍に学生生活を送った経験があります。当時は学生としての活動が大きく制限されました。もし知識があれば、「こういう対策をすれば、普段どおりに過ごせる」と考え、行動できたはずです。だからこそ、しっかりとした知識を身につけ、さまざまな場所で生かせるようになりたいと強く思っています。5年目の今はまだ学ぶことばかり。目の前の経験を一つひとつ積み重ねているところです。
宇治病院は、しっかりと看護に向き合いたい方、そしてコミュニケーションを大切にしたい方に合う職場だと思います。私のように、一度つまずいた経験がある方もいるかもしれません。でも、ここには一から学び直せる教育体制と、家庭の事情も「あるある」と受け止めてくれる仲間がいます。もう一度看護師として頑張りたいと思っている方に、ぜひ知ってほしい病院です。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
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社会福祉法人あじろぎ会・宇治病院では、看護師経験の浅い方や、一度つまずいた経験のある方も安心して学び直せる教育体制を整えています。入職後は先輩への同行から始まり、一人ひとりのペースに合わせて受け持ち人数を増やしていく段階的な指導、プリセプターによる1対1のサポート、外部研修への参加など、着実に力をつけられる環境です。子育て経験のあるスタッフも多く、急なお休みや有給休暇の取得にも理解のある職場です。JR・京阪「黄檗」駅から徒歩5分、253床の地域密着型病院です。京都・宇治エリアで、仕事と家庭を大切にしながら看護に向き合いたい方、まずは病院見学からでも大歓迎です。採用情報・エントリーは下記よりお気軽にお問い合わせください!
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