職員が気持ちよく働ける環境を目指して。平成老人保健施設で経験できること
介護福祉士 竹内｜平成老人保健施設
特別養護老人ホームの介護職からキャリアをスタートし、デイサービスでの介護職・相談員業務を経験。その後、同法人内の訪問介護ステーションの管理者兼サービス提供責任者、特別養護老人ホームの副施設長兼相談員など現場と管理業務の両方に長く従事。2024年1月に社会福祉法人あじろぎ会 平成老人保健施設に入職。
▼目次
・働きやすい職場づくり
・業務改善に取り組む
・人材教育・フォロー体制
・職場の雰囲気
・今後の目標
私の介護キャリア
介護職歴は25年以上になります。特別養護老人ホームの介護職員に始まり、デイサービスの相談員、訪問介護ステーションの管理者兼サービス提供責任者、特別養護老人ホームの副施設長兼相談員など現場をやりながら管理業務にも従事してまいりました。一つの法人で長く勤めていましたが、自分の力を試してみたいと思い、新規オープンする有料老人ホームに施設長として転職しました。
複数施設の施設長を兼務する形で管理者業務に従事していましたが、やはり私自身は現場にも入りながらのスタイルが良いと感じ、社会福祉法人あじろぎ会 平成老人保健施設に転職をいたしました。
働きやすい職場づくり
これまで長く介護現場と管理職業務を行なってきて、一番大切なことは「働く人」だという考えでいます。しっかりと新しい職員が採用できること、そして採用した職員が定着し仲間が増えていくことが施設運営の安定につながり、その先で『ご利用者様へのサービスの質向上』にもつながっていきます。
そのために私がやるべきことは『職員が気持ち良く働ける職場環境づくり』だと捉えています。当施設に入職させていただく際にも、自分の目で現場を見て、現場で働く職員さんの声を直接聞きたいと伝えさせていただきました。
業務改善に取り組む
今ある当たり前を見直し、業務の改善を行っています。働く環境を整えることで、職員が気持ちよく仕事に取り組むことができます。
まずは小さなことを積み重ねていければと思い、入職してすぐに【断捨離】をみんなで行いました。不要なものは処分し整理整頓を進めながら、より良いケアをするために必要なものは新たに購入してもらいました。目に見える形で少しずつ変化が分かれば、働く職員たちも「職場全体を良くするために声を上げて良いんだ」と気付いてくれます。
また、業務負担を軽減・情報共有をスムーズにするためにICTの導入にも踏み切りました。これまでは紙ベースでの記録でしたが、データ入力に切り替えることで記録にかかっていた時間を短縮し、よりご入居者様のために時間を使えるようにしていきたいと考えています。実際に私がご入居者様へヒアリングを行ったところ、「もっと外に出かけたい」「もっとレクリエーション等をやってほしい」「美味しいものが食べたい」といったご希望を伺うことができました。
今は移行期間で慣れるまでは職員たちは大変だと思いますが、新しいシステムに慣れれば業務負担軽減へとつながり、職員同士の情報共有もよりスムーズになっていくはずです。そして、少しずつでもご入居者様の希望を叶えていってあげられる体制を作っていきたいと考えています。
心がけていること
ご入居者様へのサービスの質の向上のためには、職員一人一人のスキルアップが求められます。介護における技術的なところは指導すれば身に付けることができますが、ご入居者様の『心のケア』ができる職員を増やしていきたいです。そして『心のケア』に大切なことは、コミュニケーションだと考えています。
私が現場に入らせていただく時には、ご入居者様お一人お一人に対する声かけを変えています。必ずお一人お一人に合った声かけを行い、繋がりを感じていただく。そして「私に頼めば安心だ」と思ってもらえるような声かけを心がけています。
また、日々の食事介助・排泄介助・入浴介助といった業務の一つ一つをこなしていくだけでなく、『常にご家族様が横にいる』という気持ちでケアに入ることを意識しています。私が介護職を始めた頃からこだわっていることです。
人材教育・フォロー体制
新しく入職された職員には、最初の1〜2日はみっちりとオリエンテーションをやってから現場に入っていただきます。そしてOJTを通じて、それぞれのレベル・成長に合わせた指導・フォローに力を入れています。まずは日勤業務の中でご入居者様の顔と名前・性格などをしっかりと覚えていただき、介護業務に関してもゆっくり焦らずにできるようになるまで2回でも3回でも丁寧に指導するようにしています。慣れてきたら、早出・遅出業務も経験していただき、夜勤業務に関しては3回ほど先輩職員に付いてもらって、手厚くフォローをしています。
既存職員の皆さんには、接遇・マナーへの意識をより高めてもらえるような研修を今後行なっていきたいと考えています。コロナ禍で介護施設では面会制限などが続き、少し閉鎖的になっていた部分があると感じています。平成老人保健施設では、いつご家族様が面会に来ていただいても『（家族が）良くしてもらっているな』と思っていただけるように、日頃から質の高いサービス提供をみんなで意識して行なっていきたいと思います。
職場の雰囲気
これまで長く勤めている職員が多く、看護師も介護スタッフ合わせても平均年齢は40歳前後だと思います。経験が浅い方や未経験の方でも安心して教えてもらえる環境だと思います。
子育て世代も活躍してくれています。子どもの体調不良などで急なお休みにも、お互い様の精神で協力し合ってフォローができています。夜勤専従で働いている職員や16時までの時短勤務、日勤だけの非常勤の方など働き方もさまざまです。
今後の目標
施設全体を働きやすい職場にしたいと思ってくれる仲間を増やし、職員の声に耳を傾けて意見をどんどん吸い上げたい。職員みんなでご入居者様のために試行錯誤していける施設にしたいと思います。
（写真・インタビュー・文：MottoBrand 福井勝雄）
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